1/25/2022

かゆいのはサトイモだから。

 

私が手に持っているのは、クリプトコリネ・シヴァダサニィCryptocoryne sivadasaniiです。インド原産で100cmを超える長さに育つクリプトの一種です。

植え替えをするので、傷んだ外葉を数枚ずつ、5、6株むしったところで、腕に異変が。

油断してました。

かゆくて仕方がない。ただかゆいんじゃなくて痛痒い。それほど多くないので平気かと思って油断していました。

このかゆみの原因、里芋と同じ「シュウ酸カルシウム」です。結晶が針状になっており、それが刺さることによって、かゆみを引き起こします。里芋や山芋を調理したり、食べたりしたときに、手や口に起るあれです。

クリプトコリネも里芋と同じ、サトイモ科植物で、シュウ酸カルシウムを持っています。かゆみの原因はずばりそれ。今回の私のように、むしったり、いじりまわしたりしてなければ、水槽に植わってるだけでは何ら影響はありません。トリミングしたときも問題ないでしょう。なので、クリプト育ててるけど、そんなこと一度もないよ、という方のほうが多いと思います。

今回の失敗は、水の上に上げ、ハサミを使わず手でむしり取っていたというのと、すごく長いので、作業するときに絡んで、やたらと腕に付きまくっていたというのが、大きいんだと思います。

なので、あまり心配しないでください。こんなことを書いておいて何なのですが…ただ、万が一かゆくなったとき、そういう理由があるんだとわかっていたら安心できますよね。なんだかわからず、謎にかゆいよりは。私はクリプトアレルギーかと思っていた時期があります。うまく育てられないのもそのせいだとか言っていました。ホントに恥ずかしい。

では、実際そうなってしまったら、どうするのか。掻いたりせずに、石鹸で洗い流してください。しばらくすればおさまります。掻くのはおススメしません。里芋の痒さ対策で検索してもいろいろ出てきます。加熱も対策になり、里芋なら電子レンジでチンすればいいのですが、クリプトはそういうわけにもいかないですもんね。まあ、すぐにおさまりますよ。

でも、怖かったのが、ラゲナンドラの大きいものを扱った時。ラゲナンもクリプトの近縁で同じサトイモ科植物です。草体がクリプトに比べ大きいせいか、かゆいより痛い方が勝りました。とくに50cmを超えるオヴァタは、怖すぎて初めからゴム手袋着用で臨みました。素手でいっていたらどうなっていたことか、想像するだけでオソロシイです。

まあ、こんなことで「科」を意識し、里芋とクリプトが同じ「サトイモ科」グループなんだと知るのも、おもしろいですよね。


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1/12/2022

ボトルアクアリウム、トリミング後が要注意!

 




トリミングした後は要注意!

トリミングしてさっぱりしたと思って油断していると、コケが生えてきますよ。

きれいにしたはずなのにどうして?と思われるかもしれません。
これは、トリミングによって草の量が減ったことにより、水槽内の栄養分の吸収も減ってしまい、今まで吸収されていたはずの栄養分が余り、それがコケの方へ回ってしまったために起る現象です。

また、水槽内の水草も、トリミングによって少なからずダメージを受けているので、すぐには成長、栄養吸収を復活させないことも要因になっています。
とくに植え替えをした際は、カットだけよりも、元の状態に戻るまで時間がかかります。根を張って、成長を始め、養分を吸収するまで余計に時間を要するためです。
なので、トリミング後は普段以上にお世話が重要です。
水草の状態が戻り、順調に栄養吸収を始めるまでの期間は、ガラスのコケは早めにふき取り、普段よりもまめに水換えをし、余分な栄養分やコケを排出するようにします。
水換えによって成長が促されるので一石二鳥です。

この期間だけ、コケ予防として、光を弱めるためライトの位置を少し遠ざけるという手もありますが、成長促進も同時に行っていきたいので、私なら、ライトの位置はそのまま、照射時間を短くするようにします。普段より2、3時間でしょうか?、6~8時間当たっていれば十分です。

再び成長を始め、コケの発生が収まってきたら、すこしずつ(急にはダメ!)お世話の間隔を伸ばしてみてください。成長と汚れのバランスが取れたら、本当の意味でのさっぱり水槽になっているはずです。

12/29/2021

何が何やらと思いきや、意外と面白かった。


 エキノドルス・‘アスケリアヌス’

Echinodorus 'Ascherianus'

タイのファームから入荷したものです。アスケリアヌスって…

ひどい名前だと思ってたんですが、沈水葉出てきたら、意外と面白いことになりました。

まず 、'Ascherianus'は、'Aschersonianus'のスペルミスでしょう。uruguayensisのシノニムになっているaschersonianusではなく、古くから水槽用水草として流通している'Aschersonianus'の方の。

で、アスケルソニアヌス'Aschersonianus'とは何かというと、原種ではなく、原種由来の不明種と交配種の複数のタイプが存在する、ざっくりとした、はっきりしないものです。時代とともに変化しているものと言ってもいいかもしれません。

私が最初にイメージするのが、細長い卵形で、先端は鋭く、葉柄は沈水では短め、割と小型で緑色、派手さはなく、特徴らしきものがないのが特徴というもの。「水草の楽しみ方」(緑書房)に載ってるものです。個人的に好きでしたが、最近はもう見かけないタイプです。

次に「アクアリウムで楽しむ水草図鑑」(ピーシーズ)に載ってた、赤褐色の斑模様が入るもの、これは、ラタイ便のアスケルソニアヌスによく似ています。これもイメージに上がりやすいです。

他に、スクルエッテリィ(コーディフォリウス・ミニ)、マクラータス(私たちが普通にイメージする所謂スクルエッテリィ)、ルブロマクラータスも、アスケルソニアヌスとして流通していたようです。

ドイツだと、スクルエッテリィ(コーディフォリウス・ミニ)と、'Aschersonianus'をイコールとしていることが多いようです。チェコだとまた別のものが出てきます。いつものことですが、混乱の原因はここら辺にありそうです。

数年前には、今までの流れにまったく沿わない、赤系の改良品種も入荷しましたが、これは外していいでしょう。

で、今回の間違え名前のものはどうなってるかと言うと、写真だとわかりにくいですが、ちゃんと(?)赤褐色の斑模様が入ってるんです。それを見て、おっ、いいね、となりました。まったく外れではなさそうです。ずいぶん幅広のおおらかな感じの葉を展開し始めたので、そこは引っかかったのですが、だんだんシャープな葉を展開しはじめ、面白みが増してきました。少なくとも今までの流れには沿っている印象です。スペルミスなんてどうでもよくて、この流れが重要です。

さらに面白いのが、新しい葉の赤みが強いことです(写真の下に写っている小さな葉)。となると、スクルエッテリィ、マクラータスは除外して、ルブロマクラータスとして入荷していたラタイ便のものが頭に浮かぶわけですが、ラタイ便のアスケルソニアヌスとどんな違いがあったか、記憶がほぼほぼありません。沈水の画像もほぼ出てこないため、唯一の手掛かりである、ラタイの小冊子カタログを開いてみることにしました。


で、一番可能性が高かったのは、何のことはない、ラタイ便のアスケルソニアヌスでした。そのまんまなのかあ、という事で、確認するため、もう一度観察してみたところ、


後ろから出てきたのは、カタログのアスケルソニアヌスそっくりの葉でした。もちろん、流れと見た目からの推測なので、これが確実に、ラタイの系譜のアスケルソニアヌスと断言はできません。ちょっと育てやすくなってる気もするし。ただ、間違ってはいたものの、曲がりなりにもそれなりの名前で入荷したことを鑑みて、まあ、アスケルソニアヌスですよね、これ。

コーディフォリウス・ミニと所謂スクルエッテリィは、また別に入手機会が得られるとして、このタイプの入荷は十分に価値のあるものだと思います。なぜ東南アジアのファームにあるんだか、ホント不思議です。

自分が仕入れていなかっただけかもしれませんが、久しぶりに見ました。悪くないと思いますよ。

こういう事があるからファームものも捨てたもんじゃないです。

最後にバットニュースですが、この種類、ファームのwebカタログに載ってないんですよね。問屋さん曰く頼めば来るらしいので、近々では問題ないかもしれませんが、いつ来なくなるか、ちょっと心配です。


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12/25/2021

まさしくファンタスティック


 エキノドルス・‘ファンタスティックカラー’

Echinodorus 'Fantastic Color'

まさしくファンタスティックなのは、色だけでなく、細身の形も。この兼ね合いがファンタスティック!
それもそのはず、‘アフレイム’とウルグアイエンシスという人気種同士の交配種。いいとこどりの、これぞ改良品種。いいもの同士を掛け合わせても、必ずしもこうはならないんですよね。Tomas Kaliebe氏作出、これもZooLogiCaが遺した銘品のひとつです。15年以上たっても流通しているのは当然です。このクオリティのものが、ファームものとして手軽に楽しめるのですから、うれしい限り。

沈水では高さ30cm程。環境次第ではもう少し伸びることも。濃い赤色と、縦方向に伸びる細身の葉は、水草がたくさん植え込まれた水槽でも、見映えがします。レイアウターにも使いやすいエキノだと思いますよ。




12/13/2021

羽ばたくバルサミカ


 
ハイグロフィラ・バルサミカ
Hygrophila balsamica

羽根系ハイグロの最高峰は、やはり、バルサミカじゃないでしょうか。
羽根系ハイグロとは、ウィステリアを筆頭に、葉の縁が羽状に裂けるグループの総称で、ピンナティフィダやトリフローラなどが知られています。
そのなかでも、もっとも激しく裂けるのが本種バルサミカです。沈水葉のそれは、羽状全裂を通り越して、櫛の葉状になるほどです。

この見た目の特異さもさることながら、以前は毒のある水草として、幻の存在とされていたこともあります。ネットが普及する前のことですから、海外の雑誌で紹介された、断片的な噂のような情報しかなかったため、噂が噂を呼び、UMA的な扱いをされていたほどです。
ヨーロッパでは出回ったという情報はあるものの、日本に入ってくる兆候は見られず、どうしても見たくて、我慢できずにスリランカへ行った程です。

田舎のバンガローみたいな安宿の近くに、大きな貯水池(スリランカでは貯水池が多く見られます)があり、その周りがいい感じの湿地になっていて、これは何かあるぞと出かけたのですが、すぐにホテルのスタッフに危ないから行ってはいけないと、こっぴどく叱られました。聞いてみると夕方は野生の象が出るので、とても危険だというのです。すごい剣幕に、これは本当に危険なんだと諦めました。
その夜のこと、深い時間帯に外でなにやら大騒ぎがありました。朝になって聞いてみると、象がホテルの敷地内に入り込んだということ、それを追い払うのに騒ぎになっていたのです。たしかに夜中、ベットの中からあのパオーンという声が至近距離で何度も聞こえていたのです。ドライブ中に象を見かけて観光客としてお気楽に喜んでいたのですが、現地で共生するというのは、甘いものではないんだなと実感しました。

結局、バルサミカは見られなかったのですが、それが今では手軽に育てられるのですから、いい時代です。
さて、毒の件ですが、気中葉では危険だけど、沈水葉は問題なしという触れ込み。魚に優しい水草だと思っていたのですが、ふたを開けてみると、トリミングした気中葉を植え込んだりしても、魚は平気な顔、エビですら問題がありませんでした。種小名の由来になっている独特の匂いがあるのは事実で、それが噂として一人歩きしたのでしょう。もしくは、現地の土壌など環境要因で毒の有無が変わるのかもしれません。それならば、おそらく野生株が出回った昔のヨーロッパでは影響が出て、今、ファームで栽培されている株が安全と言うのも頷けます。
なにはともあれ、元、幻の毒水草も、現在流通しているものは安全ですので、安心して独特なフォルムを楽しんでみて下さい。