4/16/2023

エキノを売るには時間がかかる。トホホ…

 water plants loverブログ

エキノドルスなんかほっといてもすぐに売れるんでしょ

と思っていらっしゃる方がいるかどうかは知りませんが、なかなかどうして、というお話です。


上の写真は入荷時のもの。輸入されて問屋さんに入ってきて、次の日に仕入れてきたもの。まだ気中葉(水上葉)ですね。これだと、水中でどんな姿になるか全く想像がつかないですよね。

エキノは気中葉と沈水葉では大きく形や色を変化させてきます。なので、上の姿は、水槽内での完成形ではないのです。あくまで水上での姿、水中では、まったく別の姿に変身します。


1か月後の様子。葉っぱの枚数は増えたように見えるけど、傷んでいる葉もちらほら。

それもそのはず。水上で生活するための気中葉は、水中生活向きではないので、枯れていくのです。じゃあ水槽ではダメなのと心配されるかもしれませんが、ご心配なく、水中生活に適応できる沈水葉(水中葉)が、「新たに」生えてくるのです。気中葉が沈水葉に変化するのではなく、気中葉から沈水葉に生え変わります。これ、多くのアクアリウムプランツが持っているシステムです。水上、水中、それぞれで生活できる仕組みを持っているわけです。すごいですよね。

上もだいぶ生え変わっているのですが、そのシステムを知らないと、なんだか、枯れて元気がなさそうな感じだなあ、となってしまいますよね。



そこで、ある程度沈水葉が増えてきたら、気中葉をカットしてあげます。同じポットの1分後の姿がこれですよ。気中葉を全部切り取ってしまいました。まだ、外側にどっちつかずの中途半端な葉もありますが、ほぼ沈水葉。

いちばん上の姿と比べてみてください。楕円形で緑色の気中葉に比べ、沈水葉は葉先はシャープに尖り細身になり赤色に変わっています。全然違いますよね。

どう変化するか知っていれば、すぐに買っていかれるかもしれませんが、普通わからないですもんね。わたしも口頭で説明したり、本をお見せしたりするのですが、売れるのは変身した姿のものの方が多いかな。

じつはこの種類、これからもっと赤くなるのですが、それも、なってる姿を見ないとわからないですもんね。しかも、ほかの赤系とはちょっと違う臙脂色というか、紅色というか、ちょっと独特なカラー。

しっかり育てて、実際見て頂いて、補足情報をアドバイスする。当たり前のことですが、置いておけば売れるというものではありません。


しかも、この変化が、種類によって時間の長短があるのです。〇〇は2週間だけど、□□は6週間かかるとか。なので、早く変わるものと、遅く変わるものでは、中段とか上段とか水槽も違いますし、水槽内での位置も手前とか奥とか違ってきます。沈水葉のサイズ、発色の仕方も加味してとか、さらに、次の入荷のタイミングも見越して在庫数を決めたりなどなど…経験値と日々の勉強でなんかいろいろやっております。

まあ、こんな裏話はする必要もないのですが、その水草の魅力が伝わって、楽しんでいただけたらなあと頑張っております、もちろん、それで売れてくれるのが大事ではあるのですが、ショップってそんな感じでやってますよ。

というお話しでございました。

(高城邦之)

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